要介護認定が、最長4年に延長?高齢者の4年間って結構変化すると思う【ニュース】

介護全般
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こんにちは(^ ^)

介護施設で働くゆるふわ看護師 すのです。

 

ニュースで厚生労働省は

「要介護認定の更新時の有効期間を、最長で48ヶ月(4年)まで伸ばす方向で進めていく」

と、発表したとのことです。

現在の更新時の有効期間は36ヶ月(3年)ですので、さらに1年延長するということです。

 

要介護認定とは

○ 介護保険制度では、寝たきりや認知症等で常時介護を必要とする状態(要介護状態)になった場合や、家事や身支度等の日常生活に支援が必要であり、特に介護予防サービスが効果的な状態(要支援状態)になった場合に、介護サービスを受けることができる。

○ この要介護状態や要支援状態にあるかどうか、その中でどの程度かの判定を行うのが要介護認定(要支援認定を含む。以下同じ)であり、保険者である市町村に設置される介護認定審査会において判定される。

○ 要介護認定は介護サービスの給付額に結びつくことから、その基準については全国一律に客観的に定める

(引用:厚生労働省)

 

ちなみに新規や区分変更は現行のままとのことです。

高齢者の4年って、若者の4年とは訳が違うと思うのです。

 

88歳の人が、4年後には92歳ですよ?

 

20歳が24歳になっても、なんら変わりないと思いますが、80台と90台では大きな差だと思います。

 

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なぜ要介護認定の有効期間を最長48ヶ月に?

介護保険更新の有効期間は現在、最長で36ヶ月です。それを48ヶ月にしようと、国は検討しています。

なぜ48ヶ月にする動きにあるのか?

それは、認定に関わる現場の負担を軽減するためです。

 

増え続ける高齢者、ともなると当然要介護認定の申請も増えます。

認定に携わる機関もパンク状態とのことで、有効期間を伸ばすことにより少しでも負担を減らすことが目的だとのことです。

 

要介護認定が48ヶ月になるデメリット

48ヶ月になると、介護認定の現場の負担が減るというメリットはあります。

しかし、デメリットもいくつか考えられますので、自分なりに書いてみました。

 

4年間の間に、本人の状態が悪化し介護の負担が上がっても、見直されず放置

高齢者の体は、日に日に老化していきます。

高齢者にとって、4年という月日の流れの間、残念ながら寿命が来てしまい亡くなられる方もいるでしょう。

去年までは元気だった方も、今年に入り認知症や身体状態の悪化で、人が変わったかのように、介護に手がかかるようになってしまう方もいるでしょう。

 

誤解のないように言っておくと、更新時はお元気で介護度が要支援だった方も、有効期間内に変化があればもちろん、介護度を見直してくれる変更申請を行うこともできます。

これは、担当のケアマネさんに相談し、必要であればいつでも行うことができます。

 

しかし、これはあくまで私の経験上ですが、ケアマネの中にはモニタリング不十分で、状態の変化に気付かず、なかなか変更申請をしてくれないケアマネもいます。

また、家族が変更申請をお願いしても、忙しさを理由に後回しにされ、ケアマネが動いてくれないという人も見てきました。

 

家族が訴えればまだ救われますが、家族も要介護度について理解がない場合は、そのまま放置となります。

確かにケアマネは忙しいです。一人で何十人も担当している人も少なくありません。

このように、腰の重いケアマネが担当になると、特に現状に差し障りがない場合は後回しにされる可能性もあります。その場合、4年間ミスマッチな介護度で見直されることのないまま、放置される可能性があります。

 

すのナース

これはケアマネ次第ってことにもなるね

介護度のミスマッチがあると、必要な介護サービスが受けることができなかったり、歩けないのに車椅子がレンタルできなかったりと弊害が出てきます

有効期間満了を待たず、介護度悪化し、結局変更申請せざるを得ない

なんども言いますが、高齢者は4年の間に、身体の状態や認知症が悪化するケースも少なくありません。

そのような場合、必要なサービスを受けるために、介護度の見直しとして変更申請をすることができます。

この変更申請は、ケアマネなどを通して申請するパターンが多いらしいですが、結構面倒らしく、結局有効期間が3年でも4年でもあまり変わらないのではないか?という意見もあります。

 

今までも、有効期間延長を行ってきたけど、そこまで期間が延びていないのが現状らしく、余計に面倒な手続きが増えてしまうのではないかと懸念されています。

これは、変更申請がもう少し簡単にできるよう、手続き方法を見直さなければいけないと思います。

 

 

サービス担当者会議が行われる機会が減少

サービス担当者会議とは、ケアマネジャーが作成したケアプランを、利用者に関わるサービス機関の担当者を集め、ケアプランの内容を検討する会議のことです。

サービス担当者会議は、利用者に関わるサービス期間の担当者を集め会議し、ケアプランの内容を検討します。

またこれを機会に、各担当者が情報を共有したり、より良い介護のために各専門職が話し合ったりする有意義な会議でもあるのです。

 

このサービス担当者会議はケアマネが主催し、

  • 居宅サービス計画原案を新規に作成した場合
  • 要介護認定を受けている利用者が要介護更新認定を受けた場合
  • 要介護認定を受けている利用者が要介護状態区分の変更申請する場合

 

は、必ず開催しなければいけません。またその他にも、ケアプラン変更時など、状態に応じて会議は行われます。

 

介護度に変化なく、ケアプランが変更がない場合、有効期間が最長3年の場合は、3年に1度は行われます。

しかし、今回4年になると、サービス担当者会議が行われるのが4年に1度になってしまいます。

 

確かにケアマネ的には、業務の負担になる会議が減るので助かります。

しかし、情報共有や話し合いの場が、少なくなるので、利用者にとっては、望ましいことではないでしょう。

 

まとめ

要介護認定の有効期間が最長4年になる事について、私が感じたデメリットを書いてみました。

これからの超高齢化社会に向けて、介護申請の業務負担の軽減になる事は良い事だと思いますが、それにより、利用者にとってマイナスになる事も出てくるのではないか?と考えてしまいます。

それを、カバーするには、やはりケアマネが重要だと思いました。

これから、ケアマネもAI化される動きにはなっていますが、果たしてそれで解決するのか疑問が残ります。