こんにちは(^ ^)
介護施設で働くゆるふわ看護師 すのです。
介護施設で暮らす方は、普段の介護は職員がしますが、やはり介護士だけでは介護は成り立ちません。
家族の協力は必要不可欠ですし、体調不良などの緊急時は家族に付き添いをお願いすることもあります。介護サービスの契約なども、自分ではできない人が多いので、家族にお願いする所が多いです。
また、日常生活を送る上でも、必要な物品を用意していただいたり、介護士だけでは埋めることのできない不安や寂しさは、家族とのコミュニケーションが大切です。
介護施設で働いていると、入居者へ家族の面会はよく見かけます。その時に来られる方で一番多いと感じるのは、「娘」さんです。「親の介護=娘」 と言う流れがどこかあるようです。
しかし、その娘さんも、活き活きと介護をしている方もいれば、「自分ばっかり」と疲れ切っている方もたくさんいます。そのことについて問題点も交え書いていこうと思います。
介護に一番関わっているのは息子ではなく娘が多い
全ての方がそうではありませんが、全体的に見ても、娘が身の回りの事を心配して、こまめに面会されている事が多いように思います。
季節の変わり目には、衣替えの服を持ってきてくれたり、食事量が落ちた時には、少しでも食欲が出るようにと心配し、親の大好きな手作りのおかずをタッパーに詰めて持ってきたりと、何かと気が付いてお世話をされています。
もちろん娘のいない方は、息子さんがマメに通われている所もたくさんありますので、一概には言えません。
介護施設に入居する際、緊急時の連絡や、困った時に相談する1番の窓口になる人を「キーパーソン」と呼びますが、実際にそのキーパーソンになっている人も、娘が圧倒的に多いように思います。
なぜ娘が押し付けられるのか
なぜ親の介護は娘がする流れなのか?
娘が介護の主となる、考えられる理由を挙げていきます。
男より女がいい
単純に性差の問題です。男女差別だと思われるでしょうが、一般的には、家事や料理は女が得意で、男は家のことは苦手で仕事が大事、という考えや風習は根強いです。
男性と女性で比べると、やはり女性のほうが望ましい、というのが本音のようです。男性は家事どころか、自分の身の回りのことすら自分でできない人も多いです。
夫婦のどちらかが要介護になる老老介護にしても、子が親のケアをする場合にしても、介護者が女性ならば家事や人の世話をすることに慣れていることが多く、細やかな気遣いもできるので安心だとい言うことです。
実際、施設で働いていて、緊急時にキーパーソンの息子に相談しても、母親の病気のことや生活歴を何一つ知らないと言う息子さんも少なくありません。
そんな時は、キーパーソンではないのですが娘に連絡をすると、母親のことを何でも知っていて、「やっぱり頼りになるのは娘さんだなぁ」と言う場面は多々あります。
ついつい私たちも、娘さんの存在に頼ってしまう部分はあります。
息子は仕事が忙しく遠方に住んでいる
親の介護をする年代と言えば、息子は大体働き盛りで仕事が忙しく、自分の時間すら取れない人も多いです。その上、首都圏など遠方に住んでいたり、出張や単身赴任で近くにいないので物理的に困難な場合は、近所に住む娘が介護を引き受けるケースです。
息子は直接介護ができない分、金銭的な援助をしたり、電話でこまめにコミュニケーションをとったりと、家族間で負担が不公平ならないように工夫をされて、上手に家族皆が介護に関わっている例もたくさんあります。
しかし、その反対で、娘に全て親の介護を押し付けて、息子は全く顔もお金も出さず、無関心な所ももちろんあります。
娘の方が安心だからと、親や親戚が望む
娘の信頼は無条件だと思います。それはその通りで、親自身が娘に頼ってしまう所が多いのではないでしょうか?娘に任せておけば大丈夫と押し付け、信頼してもらえるのはありがたいですが、娘も疲れ切ってしまいます。
実際にまだ元気な現役世代でも、自分が要介護状態になった時は「自分の介護は娘にしてもらいたい」と望んでいる人も多いので避けようがありません。
親が望むなら、それに答えないと「親不孝」と呼ばれるかもしれませんから、有無を言わさず自然な流れで娘が介護の中心になっていきます。
娘が自ら親の介護を望んでいる
娘が率先して介護に手を挙げて来られる方ももちろんいます。「大切に育ててもらったから、今度は自分が親に何かしてあげたい」と言う思いは当然のことだと思います。
その場合は次に述べますが、張り切りすぎると疲れ切ってしまうことも多いので要注意です。
娘が中心になり介護をする際に気をつける事
娘が介護の中心になる場合、気をつけないといけない問題点があります。
完璧主義で一生懸命すぎる
特に初めての介護の場合、何をしていいのか分からず、またどんどん状態が変化していく老親に一喜一憂し戸惑ってしまいます。娘も何とか親の思いに答えようと、より良い介護を目指し一生懸命に動き、自分が疲れ切ってしまうパターンです。
それに加え、完璧主義な方は、思い通りにならない事に気を使いすぎて疲れてしまいます。
介護は私たち専門知識を持ったプロでも、なかなか思い通りに行かず、予測困難な事も多いです。
ましてや認知症の方だと、本当に毎日の介護に正解はなく、昨日はこのやり方でオッケーだったけど、今日はやり方が違うと言うことも日常茶飯事です。介護士でもなかなか答えが見つかりません。
介護は、少し違っていてもその人らしく生活できていたらオッケーな位が調度良いのだと思います。
あと、最近ではインターネット等で、色々な情報が耳に入り、惑わされることも多いでしょう。そういった情報に振り回され、「リハビリをしても一向に良くならない」「自分の介護は間違っているのか」等と自分を追い詰めたり、孤立してしまったりと疲れてしまいます。
また、家で1対1で介護されている方は、本当に大変で、家族みんなが疲弊してしまうでしょう。そんな時はショートステイや、お昼だけのデイサービスなど介護サービスを利用し、時々は自分自身の息抜きも必要です。
娘がイライラしていると、親にもその気持ちは伝わってしまいます。皆が笑顔でいられる為には、娘の心身の安定も必要です。
嫁ぎ先の義親とのダブル介護
嫁ぎ先の義親も要介護者で、自分の親とダブル介護をしている方もいるでしょう。
ましてや自分もパートなど仕事をしている場合は、もっと大変だと思います。そう言う時も、上で述べましたが、デイサービスなどを利用し、時々リフレッシュすることも大切です。
一人で全ても見るのは不可能です。他の家族や親戚など協力して役割分担をし、負担軽減をしましょう。
親も実娘にはワガママになりがち
気の許した親子だと、ついつい本音やワガママを遠慮なしに言ってしまいます。
高齢になり、何もかも自分の思い通りにならない不安感や、娘に対する甘えから、つい思ってもないひどい事をつい口にしてしまうケースもあるようです。
娘さんも受け流す事が出来れば、大した事にはなりませんが、日頃の介護の疲れから、つい娘もカチンときて喧嘩になることもあります。
また、親の言うことはなるべく全て叶えてあげたいと言う思いから、ワガママに素直に付き合い、振り回されてしまうこともあります。
いずれの場合も、完璧を求めず少し肩の力を抜き、程よい距離感で介護をするのが一番です。
疲れたらこちらもどうぞ
まとめ
親が介護状態になった時、何人か子供がいる場合は大体娘が任される事が多いです。
息子は仕事で忙しく、娘の方が良く気がきくし、親も息子より娘を望んでいるなどの理由で、白羽の矢が立ちます。
もちろん親の介護をするのは、育てて貰った恩返しの親孝行であり、素晴らしい事です。
しかし、全てを賄うのはとても無理な事です。仕事をされていたり、子育てや家事もあり、介護まで任されると潰れてしまいます。
他の家族も任せきりで押し付けるのではなく、できる事を役割分担し協力する事も大切です。
また、家族の協力だけでなく、デイサービスやショートステイも利用し、介護する側も息抜きする事により、無理のない優しい介護が実現すると思います。