介護業界の管理者が疲弊してしまい、身も心もボロボロになってしまう理由【介護施設の看護師】

介護全般
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こんにちは(^ ^)

介護施設で働くゆるふわ看護師 すのです。

介護の現場では、必ず各部署や事業所をまとめる、管理者や責任者がいます。

管理者と聞いて、思い浮かべるイメージってどんな感じでしょうか?

仕事がバリバリできて、現場や経営者からも信頼され、リーダーとして職員みんなを引っ張っていくキラキラ格好いいイメージを持っている人も少なくないと思います。

 

すのナース

私も、そう思っていました。

すのナース

だけど実際には疲れ切って、どうにもならないって嘆いているクタクタな管理者が多いなぁと感じます

管理者は管理業務以外に、人手不足の現場の兼務や、雑用まで任され「スーパー何でも屋」になっている所も多いよね

 

すのナース

大変だなぁ(汗

 

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介護業界の管理者ってどんな人?

介護業界の管理者とは、施設や事業者によって呼び方は異なります。

「施設長・管理者」のほか「ホーム長」や「所長」などと呼ばれる場合もあります。

呼び方は違いますが、施設全体の責任者として管理(マネジメント)業務をおこなう人です。

具体的な業務は、介護業務や職員など人材のマネジメント、収支管理などを行います。

 

 

介護業界の管理者が疲弊してしまう理由

管理者と聞けば、仕事がバリバリできて、現場や経営者からも信頼され、リーダーとして職員みんなを引っ張っていくキラキラ格好いいイメージなのに、実際には日々の仕事に疲れ切ってしまいクタクタになっている人も少なくありません。

なぜ、現場を引っ張っていく管理者が、疲弊してしまうのか、その理由をまとめて見ました。

 

管理者なのに現場に入らないといけない

介護現場は、慢性的な人手不足です。

現場で働く介護士も、ギリギリの人員で業務を回しているため、時には管理者自身も現場に入り、介護スタッフと同じ排泄や入浴介助、送迎、夜勤など行なっている所も少なくありません。

この様な状態では、日中は現場の業務に終われデスクに座ることもできず、現場が落ち着いた夜からやっと山の様に溜まっている事務処理や、家族連絡などサービス残業をして行います。

 

また、現場がさほど忙しくなくても、管理者が事務所で事務処理や電話対応をしていると、現場サイドから「管理者は事務所で座ってばかりで現場に出てこない」などという不満が出てくる、介護業界の悪しき風潮です。事務所=楽な仕事 というイメージがある様です。

 

現場職員が個々に直接愚痴や意見を訴えてくる

介護の現場に入り、特に感じたことは、現場のパートのおばちゃんや、一般社員が、自分の不満やアピールを直接個々に管理者に訴えてくる事が多い事です。

 

介護現場には、管理者と現場の間に主任やリーダーを置いている所もありますが、主任の能力が低い場合、その機能をあまり果たしていない、果たされていないことも少くありません。

その場合は、現場は何とか意見を聞いてもらおうと、直接管理者に訴えてきますので、それをいちいち管理者が相談に乗っていては管理業務に支障が出ます。

 

もちろん現場の意見に耳を傾けることは必要です。

しかし、その相談や意見の大半が、管理者が対応しなくても良い、現場レベルで解決できる「どうでも良いこと」が多いのも問題です。

そうやって、管理者の時間や精神がゴリゴリと削られていきます。

 

 

管理者をサポートする現場のリーダーがいない

先ほども、少し述べましたが、管理者と現場スタッフの間には、主任やリーダーを配置している所もあります。

その場合、現場の意見や様子は、リーダーが全て把握しており、管理者は現場に対し相談がある時には、リーダーに相談することによってスムーズに仕事が流れます。

また現場から管理者へ提案があった場合も、リーダーがスタッフ個々の意見を吸い上げ、現場代表として管理者に相談することもでき、話もスムーズに進みます。

この様な流れができていれば、管理者は管理業務に専念でき、もっと大きな広い目線で現場をマネジメントする事ができます。

 

ところが、この仕組みができていない所も多く、管理者が何でもかんでも現場に関わらざるを得ないので管理者が疲弊してしまいます。

 

 

管理者になる教育がされてないまま任命される

管理者になるには、管理者の勉強も必要にあります。

管理業務はもちろんですが、特に人材に関するマネジメントは管理者になったからと言って急にできるものでもないですし、収支に関しても勉強や研修は必要になります。

 

ところが、介護業界では人手不足も手伝って、特別な経験や研修もなく、ただ年功序列や資格を持っているからといって、流れで管理者になってしまうことも少なくありません。

この間まで、一般社員だった人が、「来月から管理者やってね」って言われてもうまくいかないことは目に見えています。

この背景には、人材不足と、管理者がコロコロ変わると言う転職率の高さが問題にあると思います。

 

当然、研修や勉強をしていない人が管理者になれば、管理の仕方もわからず責任だけ押し付けられ、管理者自身はもちろんのこと、現場も混乱し、ますます管理者の首を絞めていくことになるでしょう。

 

 

管理者手当が少ない(給与が仕事量に見合っていない)

介護業界の管理者は、現場の仕事もして、利用者や家族からのクレームも対応し、サービス残業や休日出勤をして管理業務をこなし、利用者の命の責任まで問われると言う重責も背負っています。

そうやって、心身共々ボロボロになりながら支給される給与が少ないのです。

給与が労働の対価に見合っていません。

他のサービス業や一般企業の管理者に比べ、ダントツに安いと思います。

多少しんどい仕事でも、それなりに頂いていれば頑張りようもあるでしょうが、仕事はキツイし給与は安いでは、モチベーションもダダ下がりです。

 

じゃあそんなに厳しいなら辞めればいいのに、と思う人も多いでしょうが、それでも介護の仕事が好きで辞めたくない人も多く、そういった熱意で介護業界が支えられている部分も多いと思います。

 

まとめ

介護業界の管理者が、身も心も疲弊してしまう理由を書いてみました。

管理者は、これからピークを迎える、高齢化社会に向けて、時代を背負っていく重大な役割があります。

そんな介護業界のリーダーが、各所で疲弊しています。

その理由の一つとして、やはり人手不足も大きく関わっていると思います。

これから増え続ける高齢者とは裏腹に、介護士の人手不足によって、現場は悲鳴をあげています。

現場を引っ張っていく管理者が疲弊していては、介護の世界は良くなりません。

介護職が皆が笑顔で働くことができるよう、経営者も考えていかなければなりませんね。