こんにちは(^ ^)
介護施設で働くゆるふわ看護師 すのです。
介護施設での事故で多いのが転倒事故です。介護士も転倒防止のために、最新の注意を払いますがそれでも完全に無くすことはできません。
転倒事故は、発見時の観察や対応が大切になってきます。転倒してしまっても、正しい対処方法を行うことで救われるということもあります。まずは発見時に、どんな事に気をつけたらいいのか書いていきます。
利用者が居室で転倒していたら、ついつい慌ててしまうよね
対処法を知っておけば、慌てず対応できるからしっかり頭に入れておきましょう
介護施設での転倒事故は、どんな時に起きやすいのか
介護現場では、どんなに注意をしていても転倒事故は起こってしまいます。高齢者は足腰も弱く、バランス感覚も低下しています。
立ち上がりや歩行時のふらつきでの転倒が多いようです。
また少しの段差でもつまずきやすいですので、特に外出時は気をつけて下さい。
- ベッドや椅子から立ち上がる時
- 歩行時のふらつき
- トイレでの転倒(特に夜間)
- 入浴中、足を滑らせたり、ふらつきによる転倒
- 外出先でちょっとした段差によるつまずき
こちらに詳しく書いています!
転倒を発見したら、観察すべき5つのポイント
転倒を発見したら、慌てて起こそうとせず、まずはそのままの状態で最初の観察を行いましょう。
脳へのダメージや骨折がある場合、無理に動かすと症状が悪化してしまう場合があるので、寝かせたままにして動かさないようにしましょう
発見した人もパニックになってしまい、つい慌ててしまいますが、実は転倒した本人が一番動揺しています。周りが慌てると、ますます本人の不安を煽りますので、介助者はまず落ち着いて声をかけるようにしましょう。
意識の有無
声をかけて、呼びかけに対しゆっくりでも受け答えができるかどうか、確認しましょう。意識がしっかりしていれば、ひとまずは安心です。
呼びかけても反応が鈍い、もうろうとしている、自分の名前がわからない、刺激を与えても目を開けないなどの意識障害が見られたら、自己判断で動かさず、救急車を呼ぶか医療従事者に報告し判断を仰ぎましょう。
痛みや腫れ、外傷の有無
どこが痛いか、どこをぶつけたか、まずは本人の訴えを聞きましょう。その上で、ぶつけたところも含め全身の観察をします。
外傷や出血の有無、患部の変形、腫れや内出血などを注意深く観察します。
痛みが強く動かせない場合は、骨折している場合がありますので、無理に動かすのはやめましょう。骨折の可能性が高い場合は、救急車を呼びましょう。
四肢の可動確認
特に痛みもなく意識もはっきりしている場合、足や手の動きも確認しましょう。
痛みが無い範囲で、手足を動かしてもらい、いつも通り動くかどうか?右脚が曲げづらいなど異常がないか確認しましょう。少しでも異常があれば、報告しましょう。
吐き気や嘔吐、気分不良の確認
頭をぶつけた場合、吐き気や嘔吐、気分不良やめまいなど違和感の訴えがあります。
そういった症状が見られる場合はすぐにかかりつけ医に連絡か、看護師に報告し、救急車を呼ぶかどうか指示してもらいましょう。
また緊急性がない場合も、頭をぶつけた場合は早めに医療機関へかかり検査をしてもらうことをお勧めします。
バイタル測定
意識状態やケガなどの確認ができたら、バイタル測定を必ず行います。
転倒直後は、興奮していて血圧が異常に高いこともありますが、正常異常に関わらず必ず看護師や医師に報告して下さい。
また、バイタルは転倒直後から、しばらくは数時間おきに測定し観察した方が良いでしょう。
頭を打っていたら慢性硬膜下血腫に注意!1〜2ヶ月は様子観察をしましょう
頭をぶつけた場合、直後は特に異常はなくても、転倒後48時間は注意深い観察が必要です。この間に吐き気や嘔吐、意識障害など見られたら救急車を呼ぶなどして、早急に医療機関にかかりましょう。
特に気をつけたいのが、慢性硬膜下血腫です。
頭部を打撲し数週間かかってじわじわと血腫が脳の表面に貯まる病気です。貯まった血腫が脳を圧迫して様々な症状を引き起こします。
頭痛・嘔気・嘔吐や片麻痺(半身の脱力)や認知症が進行したような症状(記憶力低下・性格変化・意欲低下など)が出現します。病状が悪化した場合には意識障害が出現し、場合によっては昏睡となり命に関わることがありますので、1〜2ヶ月はこの点に気をつけて観察しましょう。
まとめ
介護施設では、日々転倒予防に心がけてはいますが、転倒事故はおこってしまいます。
転倒事故直後は、本人が一番ショックを受けて不安になっています。発見者は落ち着いて対応し、少しでも本人の不安を和らげる声かけをしましょう。その為には、事故の対応法を知って置く事が大切です。チェックすべき点を頭に入れておけば、慌てる事なく安全に対応する事ができます。
そして少しでも異常が見られたら、事故判断せずに看護師や医師に必ず報告しましょう。