こんにちは(^ ^)
介護施設で働くゆるふわ看護師 すのです。
高齢者になると免疫力の低下から、あらゆる病気にかかりやすくなります。
しかも厄介なことに、病気にかかったからといって、必ずしも教科書通りに症状が出ない事が多く、発見が遅れ、気付いた時には重症化していた、なんて事がよくあります。
「いつもとちょっと違うなぁ」「何かおかしいなぁ」と少しでも違和感を感じたら、継続的に観察し、かかりつけ医に相談するなど早めに対応した方が良いでしょう。
いつも見ている家族や介護士の「何か違うなぁ」と言う違和感は、割と当たってる時が多いよね
うん、毎日の観察が病気の早期発見につながるね
高齢者はなぜ症状が出にくいのか
高齢者になると、色々な病気にかかりやすくなります。それは体を菌やウイルスから守る免疫力が、若い人より低下してきているからです。
人は何らかの菌やウイルスに感染すると、身体を守るため、身体の防御機能が働きます。
体温を上げてウイルスを死滅させたり、咳をして菌を排出させることなどが、いわゆる「症状」です
しかし免疫力が落ちると、病気への反応も弱くなり、病気と闘う免疫力や臓器も衰えるため、菌やウイルスに対する抵抗、発熱や咳などの「症状」も出にくくなります。
その上、進行が早いため、生命の危険があります。
なので、家族や介護士など、普段よく見ている人は、「なんとなく元気がない」「なんとなく食欲がない」などのわずかな変化を見逃さず、早めにかかりつけ医に相談する事が大切です。
高齢者がかかりやすい病気
高齢者がかかりやすい病気を書いていきます。
これらも初期は症状がなく見過ごされてしまい、気付いたら重症化してしまい、最悪命を落とされる方もいますので注意が必要です。
少しでも普段の生活と比べ異変があれば、かかりつけ医に相談しましょう。
肺炎
肺炎と一口に言っても、感染する菌により病名は様々ですが、原因となる菌に感染し肺が炎症を起こす病気です。
特に高齢者は抵抗力が衰えていますので、若くて元気な人なら感染しないような菌でも、肺炎を起こしてしまいますので注意が必要です。
介護現場では、特に多い肺炎といえば「誤嚥性肺炎」です。自分の口の中などの菌や、食べ物の誤嚥により、肺に入り感染します。
通常は、発熱しますが、高齢者は発熱しない場合も多く、軽い咳や痰、倦怠感の症状だけで風邪と間違えられ、気付いた時には重症化しているケースが多いです。特に誤嚥性肺炎の場合は、何度も繰り返す場合も多いので注意が必要です。
たまに無症状な人もいるから難しいね(汗
インフルエンザ
インフルエンザは毎年冬に大流行します。若い人は、突然の高熱や全身倦怠感、関節痛など劇的に症状が現れ発見しやすいですが、高齢者は発熱しない場合もあり、発見が遅れる場合があります。
インフルエンザの怖いところは、肺炎などの合併症にかかり重症化する事です。
そうなると入院対応になることも多く、残念ですが亡くなられる方もいます。
インフルエンザは予防が第一になります。まずは予防接種を毎年受けましょう。感染源となる人や場所に近づかない。手洗いうがいもしっかりする事で、かなり予防できると思います。
尿路感染
尿路(膀胱、尿道、腎臓、尿管などの尿の通り道)に感染を起こすことを指します。
多くは尿道口から菌が侵入し、尿が濁ることもあります。通常は残尿感や排尿痛がありますが、高齢者は頻尿症状だけのこともあります。
こちらも、再発を繰り返す方も多く治りにくい病気です。
またトイレに行った後、十分に陰部を拭けていない、毎日お風呂に入っておらず、清潔が保たれていない場合も多く、不潔な状態が続いている方もかかりやすくなっています。
感染性胃腸炎(ノロウイルス)
感染性胃腸炎とは、細菌やウイルスなどの病原体による胃腸炎です。
牡蠣などの貝類に含まれ、加熱不足だったり、手や食器にウイルスが付着したまま食事をすることで感染し、激しい嘔吐と下痢を起こします。
感染力は強く、感染者の便や嘔吐物から飛び散ったウイルスを吸い込むなどでも感染します。
ノロウイルスは何度でも繰り返します。治療薬はなく、脱水管理や誤嚥防止など対症療法となります。
感染性胃腸炎の原因である食中毒は一年中発生しますが、ノロウイルスの場合は特に冬季に流行します。
熱中症
熱中症は、高温多湿の環境で、体内の水分や塩分のバランスが崩れたり、体温を調節する機能がうまく働かなくなったりして、体内に熱がたまってしまう状態のことをいいます。
症状としてだるさ、めまい、立ちくらみ、吐き気、筋肉痛などが現れ、重症になると意識障害が起こります。
高齢者は体の水分が少なく、気温の影響を受けやすくなります。
さらに暑さや水分不足に対する感覚機能や、暑さに対する体の調整機能が低下しています。
このため本人が喉の渇きや暑さを自覚していなくても、脱水していることがあります。
症状は短時間で刻々と変化するので注意が必要です。早めに「おかしいな」と気づいて、対処すれば、死に至ることは避けられます。
病気にかかる前にできる予防法
まずは病気にかかる前に、予防する事が一番大切です。
また予防は、高齢者本人だけではなく、周りの介護者も自分が感染源にならないように一緒に予防していく事が必要です。
できる予防接種は必ず受ける
インフルエンザや肺炎球菌の予防接種は必ず受けましょう。
高齢者は自治体より補助が出ると思いますので、不明な方はお住いの自治体に問い合わせて見てください。
家族や介護者も必ず受けましょうね
外出後の手洗いうがい
家の外はウイルスやバイ菌まみれです。若い人なら何でもない菌でも、免疫力の低下した高齢者に感染すると重症化してしまうこともあります。
外出後や食事前の手洗いうがいは、感染予防には有効です。
うがいは喉の奥から口の中までしっかりゆすぎましょう。
寝たきりなどで頻繁に手洗いできない人は、速乾式のアルコール消毒もおすすめです
清潔を保つ
とにかく感染症を予防するためには、清潔第一です。
毎日入浴し清潔を保つ事が理想ですが、高齢者の場合、そうはいかない方も多い事でしょう。
毎日入浴できなくても、陰部だけでも毎日洗う、体を拭くなどできるだけ清潔を心がけましょう。
特に陰部は汚れがたまりやすいです。尿路感染症や皮膚感染症を予防するためにも、清潔な水とタオルで清潔保持をすることが大切です。
しっかり食べて栄養をつけ体力を維持する
感染症を予防するためには、免疫力を上げることが大切です。免疫の低下は、加齢のみではなく、栄養不足からも生じます。
栄養不足により体力が低下したり、体内のバランスを保つ機能が落ちると、さらに免疫力は低下し、感染症になりやすくなります。
食事・睡眠・運動などの生活習慣を整え、ストレスなく楽しく毎日を過ごして免疫機能を上げましょう。
まとめ
高齢者は免疫力の低下から、あらゆる病気にかかりやすくなります。
さらに病気になっても、症状もわかりにくく発見が遅れてしまい、気づけば重症化していたなんてことも多いです。
そんなことにならないよう、周りの家族や介護士もちょっとした変化を見過ごさず、木になる事があれば病院へかかるよう促しましょう。
またできるだけ予防することも大切です。予防は本人のみではなく、周りの人も一緒に予防しないと感染源になってしまいます。
高齢者がかかりやすい病気の知識を勉強し、予防していく事が大切です。