認知症の入浴拒否は、原因を考え上手に対処しよう【最初の声掛けが大事】

介護の現場
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こんにちは(^ ^)

介護施設で働くゆるふわ看護師 すのです。

以前、私はグループホーム(認知症の方が生活する施設)に勤めていました。

そこでは入浴介助に入ることもありましたが、最初のうちは拒否される事が多く、予定していた半分ほどの人しか入浴できませんでした。

 

すのナース

他の職員は全員入浴出来ているのに、あまりに自分がダメすぎて凹みました(泣

認知症の人に拒否されたら、しつこく誘わず、一旦時間を置く事もコツだよね

でもやっぱり、日頃の信頼関係が一番大事かも!

まずはなぜ拒否するのか原因を考えることも大切ですね!

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なぜ入浴拒否をするのか原因を考える

認知症の方は、入浴拒否をする方も少なくないです。

1度や2度なら無理して入浴しなくても、問題はありませんが、毎回拒否を受け入れてしまうと、ずっと入浴出来なくなります。

入浴しなければ不潔になり、感染症や皮膚病になってしまう危険性があります。

 

高齢者の入浴は毎日する必要はありませんが、最低、週に2日は入浴できるよう心掛けましょう。

 

入浴を拒否するには、何かしら原因があるはずです。

高齢者に限らず、人は皆、何か嫌な原因があるから拒否するのです

私たちでも、嫌なことや不安なことはしたくありません。

まずはその原因を考え、できる限りその原因を対処しなければ、入浴は難しいでしょう。

 

入浴拒否の原因

拒否の原因は様々ですが、下記のような原因が多いです。思い当たる原因があれば、一度見直して見ましょう。

 

  • 入浴が面倒臭い
  • 服を脱ぐ(裸になる)のが嫌、または恥ずかしい
  • 入浴自体が理解できず、何をされるのか分からず怖い
  • とにかく動くのが面倒臭い
  • 以前、入浴時に嫌な事があり、それを気にしている
  • 浴室が嫌い
  • 誘った時に、眠たかったり疲れている
  • 体調不良
  • 何かに夢中になってる時(テレビ、読書など)に、声をかけた

 

認知症の入浴拒否への上手な声掛けや対処法

認知症の方への声掛けは、わかりやすくシンプルに伝える事が大切です。

最初の声掛け一つで、その後の行動が変わってきます。

 

声掛けは、言葉だけでなく、声をかける表情や声のトーン、話のスピードなども含まれますので、上手にわかりやすく、安心できる声掛けをしましょう

 

いきなり入浴を勧めず、世間話から始める

いきなり「入浴」「お風呂」という言葉での誘導はNGです。

入浴したくないと訴えている方に、入浴やお風呂という言葉を使ってしまうと、更に頑なに拒否をされてしまう場合が多くあります。

まずは、利用者と世間話など何気ない会話をしながら、浴室へ行くよう会話の誘導を行っていきましょう。

私がよく行っていた声掛けとしては、天候や季節の話題、体調確認、世の中のニュースの話題などから始まり、少しずつ浴室へ行くような会話の流れに持っていきます。

 

拒否が見られるようなら、話をそらす

入浴を拒否されそうになったら、すぐに入浴とは全く関係ない別の話題に切り替えましょう。

一度、別の話で気をそらし、忘れた頃に再度少しずつ入浴へ誘導していくと、意外とすんなり成功することもあります。

 

一旦、離れて時間を置き再度勧める

話題をそらすことと同様に、入浴を断られたらあっさり引き下がって、しばらくしてまた誘うと、今度は案外入る気になることがあります。

 

勧める人を交代する

拒否が見られたら、別の人と交代すると、あっさりと入浴できる事があります。

別の人に浴室まで連れてきてもらって、入浴介助の係りの人は浴室で待って、再度タッチ交代するとすんなり入れます。

 

すのナース

これは入浴に限らず、服薬拒否の場合でも、私達がよく使う方法です

 

「看護師さんに皮膚を見てもらいましょう」などと言い脱衣所へ誘う

入浴拒否をされる利用者のなかには、医師や看護師の言う事であれば素直に聞いて下さる方がいます。

「皮膚状態を確認させて下さい」とお声をかけて浴室に来てもらう方法もあります。

 

あえて何も言わずに、浴室へ誘導する

入浴するということが理解できない方には、あえて何も行き先を告げずに浴室に誘導するとうまくいく場合があります。

 

「服が汚れたから、あちらで着替えましょう」などと誘う

利用者の服をみて、「あれ?ここが汚れていますよ?あちらに行って着替えましょう」などと誘うと、「それは大変だ!着替えないと!」と、あっさりと浴室に行って服を脱いでもらえる事があります。

そこから先は、「ついでにお風呂で綺麗に体も洗いましょう」など上手に誘導してみましょう。

 

トイレ等に誘い、席を立ったついでにそのままお風呂に行く

お風呂に行きたくないと、頑なに席を立たない場合、トイレ誘導などを利用し、そのついでにお風呂までお連れするという方法もあります。

また、上の方法との合わせ技で、トイレに行って「あれ?ズボンが汚れているよ?」「お尻が汚れていますよ」「便が出たから、お風呂の人にお尻を洗ってもらいましょう」など誘導する方法もあります。

排泄物の汚れは、認知症の方でも気にする人も多いので、効果的なこともあります。

 

デリケートな問題なので、プライドを傷つけないようにね

 

一番大事なのは、日頃からの信頼関係

声をかける職員によって利用者の反応が違うことも珍しくありません。

自分が声をかけてダメだった時には、別の職員に変わって貰う事も方法の1つです。

 

ただ、ご利用様と信頼関係を築く努力を怠ってはいけません。

うまく両者の間で信頼関係ができると、多少拒否があってもコミュニケーションを取りながら入浴していただく事も可能になります。

私も、最初は拒否ばかりされましたが、数ヶ月すると信頼関係ができ、拒否も少なくなりました。

たとえ拒否があっても、うまく対応できるようにもなりました。

 

やはり、認知症の有る無しに関わらず、一番は人と人との信頼関係だと思います。

上記の対処法は、とりあえずの小手先のテクニックに過ぎません。

利用者の気分や精神状態は日々変わるものですので、きちんと信頼関係を築いた上で入浴介助をする事が一番だと思います。

 

まとめ

認知症の方の入浴拒否は、介護施設で働いていると日常茶飯事です。

毎回入浴拒否をされると、流石にこちらも少し凹んでしまいます。

そんな時は、まず拒否する原因を考え、その原因を取り除いてあげる事が大切です。

それでもダメなら、声をかける人を交代する、話をそらすなどで対処しましょう。

一番大切なのは、利用者との信頼関係です。

信頼関係ができると、多少の拒否があっても、声掛け次第で入浴できるようになってきます。

入浴時のみでなく、日頃から利用者の立場に立った声掛けをする事が大切です。