介護施設でよくある入居者同士のトラブル【早めの対応を】

介護職の嘆き
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こんにちは(^ ^)

介護施設で働くゆるふわ看護師 すのです。

介護施設で働いていると、職員同士もそうですが、入居者同士での人間関係のトラブルも多いです。入居者は24時間生活を共にしているので、当然ですが人付き合いも合う合わないがあります。

職員も、人間関係の修復に関わりますが、認知症の方もいると、なかなか間に入っても難しいものがあり、日々苦労します。

今回は、どんなトラブルが多いのか書いていこうと思います。

幾つになっても、人間関係は難しいね〜

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介護施設で入居者同士のトラブルはなぜ起きるのか

介護施設の入居者は、24時間同じ屋根の下で寝食を共にします。

当然ですが、人には相性があり、性格的にも合う合わないがあるかと思います。これは介護施設に限ったことではありません。

学校でも会社でも、このような問題はどこでも起こり得ることです。

しかしこれに加え、介護施設独特の原因としては、判断力の低下した認知症の入居者が居ること、また配偶者との死別や、家族と離れて暮らす高齢者独特の孤独感や疎外感から、トラブルに発生することもあります。

介護施設での人間関係のトラブルは、原因をよく見極めることも大切です。

 

介護施設でよくあるトラブル具体例

では具体的にどのようなトラブルがあるのか挙げていきます。

認知症によるトラブル

認知症の方は判断力の低下や、認知機能の低下、幻覚や妄想があり、他の入居者とトラブルになりやすいです。

認知症の方の行動からくるトラブルは、特に介護職員も気をつけなければなりません。

自分の陰口を言っていると言う妄想

認知症の方の行動は、認知症ではない入居者から見たら、ちょっとおかしな行動に感じます。

 

認知症でない方は、認知症を正しく理解していない人が多いです。
また誰が認知症で、誰が認知症でないかも正しく把握していません。

 

例えば、「何度も同じことを聞いてくる」「さっきご飯を食べたのに、まだ食べていないと言う」などという行動が、変な行動として見えてしまう場合もあります。

それらの行動を、驚いてまじまじと見たり、それに関して他の入居者と「あの人おかしいわね」等とヒソヒソ話したりしているところを見て、自分の悪口を言っている!と感じます。

また気の強い方は、あからさまに認知症の方に「ボケてる!」と言われる方もいるので、その場合は喧嘩になったりします(汗

 

自分の服やお金を盗んだと言う妄想

認知症の方は、よく部屋から物やお金が盗られたと訴えて、大騒ぎする方がいます。

そして、犯人を勝手に他の入居者だと思い込んで「あの人が盗んだ!」とトラブルになってしまいます。

言われた方も気持ちの良いものではりません。その後職員がなだめても、お互いの恨みだけが残り、仲違いになってしまいます。

 

私が体験したのは、「部屋に置いていた10万円がなくなった!誰か盗んだ!」と施設中に広げ、警察を呼んで!と暴れ出し、暴力をふるい出したので、結局警察沙汰になったことがあります。

その後、家族に来てもらい、そもそも10万円等という大金を持たせていない、ということで一見落着になりましたが、あの時は本当に大変でした。

 

夜中に他の入居者の部屋へ侵入

認知症の方は特に、夜間に精神が不安定になったり、自分がどこにいるのかわからなくなってしまうこともあります。

夜間、自分の場所を見つけるために廊下を歩き回ったり、夜中にトイレに行ったもののベッドに帰れず部屋の外に飛び出してしまい、他の人の部屋に入ってしまう場合もあります。

急に夜中に他人が入って来たら、誰でもびっくりしてしまい喧嘩になってしまうこともあります。また男性が女性の部屋に侵入してしまうと、女性は恐怖感を覚え、怖がってしまうこともあります。

 

大声や暴言・暴力によって、他の利用者が怖がる

認知症で、感情がコントロールできず、つい大声で怒鳴ったり、怒ったり、挙げ句の果てには、手が出てしまい暴力になってしまうこともあります。

それらを見た他の入居者は、やはり恐怖を覚え、その方を避けるようになってしまいます。

 

入居者間の物の貸し借りによるトラブル

入居者間で、物の貸し借りによるトラブルも多いです。

しかも、なぜか必要のないお金の貸し借りや、高価なジュエリーをあげたりと、トラブルになることも多いです。職員がその場を発見できれば、止めることもできますが、そうでない場合は難しいです。

 

家族環境の自慢話などからくる嫉妬によるトラブル

高齢者もプライドの高い人は多いです。

「息子は東京の大学を出た」「嫁は薬剤師だ」「地元に土地を持っている」「娘は毎日来てくれる」など、自慢話のオンパレードです。

私たち職員も何度も同じ話を聞かされ、その度に「すごいねぇ〜」と自尊心をくすぐりその場を収めますが、他の入居者はそんなわけにはいきません。

やっぱり、ひとりぼっちの寂しい方もいますし、年金収入のみでお金がない人もいます。子供達も滅多に面会に来ない人もいます。

そんな人からしたら、自慢話は全く面白くない話で、嫉妬してしまい、仲違いになってしまうことも多いです。

どちらかが仲間外れになってしまうこともあります。

 

仲良しグループを作り、誰かを仲間外れにする

仲良しグループは小学生から高齢者まで、幾つになっても存在します。

気の合う仲間が集まり、その他の人は排除する。特に介護施設という閉ざされた社会では、孤独にポツンと生活している人もいます。

職員も、なんとか仲を取り持とうとしますが、なかなか難しいです。

 

トラブルが発生したら、大事に至る前に早めに対応を

職員は、トラブルを目撃したら、早いうちに解決しなければなりません。

なぜトラブルになったのか?どういう時にトラブルになったのか?状況を把握し、リーダーや管理者へ報告しましょう。

ケースによっては、早急にミーティングをし解決策を見つけ対応することが大切です。

トラブルをそのままにしておくと、他の入居者に影響が及んだり、不安が悪化し帰宅願望が出たりと、悪循環になりますので早めの対応を心がけましょう。

 

どうしたら入居者間のトラブルは防げるのか

入居者の相性や性格にもよりますが、なぜトラブルになったのかを見極め、まずはその原因を取り除来ます。

原因が認知症など、そうしても原因を解決できない場合は、なるべく食事の席を遠ざける、目に入らないようにする、場合によっては部屋を変えるなどの対応が必要です。

趣味や作業など、何か気持ちを没頭できそうなことをしてもらう事も有効です。

あとは、トラブルになりそうな気配を察したら、歌を歌い職員が場の空気を変えるなどの工夫していきましょう。

 

トラブルの原因が、孤独や寂しさから来ている時もあります。
その場合は、職員は入居者の話に耳を傾け、なるべく孤独を和らげるために声をかける、または家族にも事情を説明し、面会日を増やしてもらう、それが難しいなら電話や手紙をしてもらうなど一緒に考えることも大切だと思います。

 

まとめ

介護士施設では24時間同じ屋根の下で、皆が生活しています。

その中で入居者間のトラブルはつきものです。特に認知症の方を巻き込んだトラブルは対応が難しいですが、職員全体で考えていくことが大切です。

また高齢者独特の、孤独感や疎外感からくるものも意外に多いです。

その場合は職員が気持ちに寄り添い、家族とも協力して少しでも利用者の気持ちが落ち着くよう対応していきましょう。