そう遠くない「未来の介護現場」をおびやかす、スマホを使う利用者

介護全般
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こんにちは(^ ^)

介護施設で働くゆるふわ看護師 すのです。

今の団塊世代の人って、スマホを持ってても珍しくないよね

 

うん。家族や会社とのやりとりもLINEでやってる人も多いし

 

その人達が介護される年齢になるのも、そう遠くないよね

すのナース
すのナース

と言うことは、近い未来介護施設に入る人は、スマホを持っている人が多くなるよね

 

そうだね〜。そうなると色々今までにない問題が起きそうな予感だ…

 

介護の現場にスマホが入るとどんな問題が起きるか考えてみよう!

 

 

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今の段階ではガラケー止まり?

介護施設では、家族と連絡を取るためにガラケーを持っている利用者は珍しくありません。

しかし、今の世代の高齢者は若い時に携帯電話を使ったことがなく、操作方法もよく分からず着信のみや、ごく限られた家族への発信専用となってる場合が多いです。

機械への知識もないので、充電不足や、電源ボタンの長押しなどの誤操作で電源がオフになり「壊れた!」と何度も訴え、スッタフを困らせる利用者も多いです。

また電話を所持していても、音に気づかなかったり、持ち歩いていないので家族から「何度電話をかけても母が出ないが無事でしょうか?」と言う、施設への問い合わせも時々あります。

 

しかし、スマホを持っている利用者がいないわけではありません。最近は増えてきました。

 

私が関わった利用者でスマホを持っている方は、家族とLINEで仲良くコミュニケーションを取り、今日のニュースや天気予報などリアルタイムで調べるなど、有意義に使いこなしているようです。

 

スマホを使う利用者に問題を感じたきっかけ

ただひとつ問題だなぁと感じたのは、スタッフとも個人的にLINEを交換していると聞いた時です。

賛否両論あると思いますが、私の考えはスタッフは利用者とはプライベートに繋がるべきではないと思うのです。

 

そして、私の予感は的中しました。

その利用者と繋がっているスタッフは、次第に利用者にLINEで業務の愚痴をこぼし、挙げ句の果てには会社の内部事情まで、知らず知らずのうちに利用者に話してしまっているのです。

スタッフはほんの日常会話のつもりだったのでしょうが、LINEという軽い会話の世界で、つい友達に話す様な感覚になったのでしょうね。

利用者は認知症もなくしっかりとした方なので、高齢者と言えども、人生においては大先輩。

若いスタッフより一枚上手です。

上手に内部の情報を聞き出し、他の利用者との話のネタにする。

そういった情報は日常刺激のない利用者間で一気に広まり、あることないこと共有されていきます。

このことが理由で、以前勤務した施設では、利用者がマイナスの噂を信じ、施設に不信感を持ち退去するといった問題にまで発展してしまいました。

 

このことがきっかけとなり、将来利用者の大半がスマホを所持する様になると、大変だなぁと考える様になりました。

 

スマホを使う利用者が、未来の介護現場をおびやかす理由を考える

将来、スマホを持つ利用者が増えることによって起こる、弊害を考えてみました

LINEやTwitterなどSNSの使用

LINEを家族との連絡方法にする方が多いと思いますが、SNSは誰とでも繋がれる諸刃の剣です。

他の利用者と情報共有

施設内でグループLINEをし、職員の陰口や施設への不満を共有、他利用者の陰口など言いたい放題になります。

また、昼夜逆転の方が、寂しいからと夜間でも構わずLINEを送り、苦情が出る可能性もあります。

 

 

個人情報保護の概念なく、SNSで情報拡散

高齢者の中には個人情報保護の概念が乏しい、もしくは全くない人もいます。

その様な方が、 外部の友人に他の入居者の情報を流したり、 Twitterやインスタなどで施設の悪口や情報を拡散したりする可能性もあります。

職員の情報だって、間違った情報を他の施設の利用者や職員と共有され、転職もままならなくなります。

 

こういう場合も施設の責任になるのだろうか?

すのナース
すのナース

考えただけでも恐ろしいですね(汗

そのうち高齢者専用の出会い系サイトとかも出来そうな予感…

 

写真や動画の撮影

スマホがあれば簡単に写真や動画が撮れてしまいます。

撮るだけなら問題ないのですが、それを上記に述べた様に、無意識にSNSで他の入居者の写真を許可なく流してしまったり、了承を得ず勝手に他者の動画を撮影してしまったりと色々問題が起きそうです。

 

職員に隠れて盗聴録音

職員の言葉遣いや対応に不満がある場合、勝手にケア中に会話を録音されてしまう場合もあります。

この場合、職員に問題がある場合は証拠になって良いのですが、何でもかんでも録音されているかもと疑うと、スタッフも対応が不自然になってしまいます。

その結果、対応も事務的になってしまい、冗談のひとつも言えずどこか冷たい感じの介護になりそうです。

 

スマホゲームなどにハマり引きこもり

介護施設での生活は、暇な時間が多いです。

スマホでは気軽にゲームや動画を好きなだけ見ることができます。

ついついゲームにはまり、食事時間も忘れ夢中になり、昼も引きこもり、夜も遅くまで熱中して、生活リズムが崩れてしまうことも考えられます。

 

今の施設はWi-Fiを解放している所も多く、スマホを使用する方には今後、施設選びの条件の一つになるでしょう。

 

楽天やアマゾンで自由に買い物できる

スマホでは、簡単に楽天やアマゾンでお買い物ができます。

今の中高年以下の人は、ネットで買い物は当たり前です。

そんな方が、そのまま高齢者となり、自由のままならない施設でも自由に買い物できてしまうのです。

ネットスーパーもあるし、ヘルパーの買い物援助なんていらない様になりそうですね。

食事制限されている人が好きな食べ物を注文する、高価な電気製品や使いもしない宝飾品など購入しトラブルになりそうな予感しかありません。

今現在でさえ、利用者の見栄の張り合いで、外出した際に高価なお土産合戦になるくらいなのに、ネットだと更にすごいことになりそうです。

 

まとめ

そう遠くない未来の介護現場では、利用者はみんなスマホを持っていることが当たり前になってくる時代がくるかもしれません。

その時に考えられるデメリットを勝手に考えてみました。

スマホの機能は今後も無限に可能性が広がっていくでしょう。

家族とのコミュニケーションが増えるなどの利点はありますが、手軽さゆえ他人のプライバシーを犯してしまったり、金銭トラブルになったり問題もあります。

今後入居に当たって、利用者にはスマホの使用についての契約も交わす必要が出てくるでしょう。

ただ、認知症にかかってしまった場合など対応が難しくなってきます。

家族との取り決めなど、スマホに関して今後の課題は山積みです。